オリーブレディースクリニック麻布十番では子宮内膜着床能(ERA)検査を始めました。
不妊治療を繰り返し行っても、なかなか妊娠に至らない方の中には、「子宮内に到達した胚が着床しやすい時期」と「子宮内膜の着床しやすい時期(implantation window)」にずれがある可能性があります。
ERA検査は、『胚盤胞の移植当日の子宮内膜が着床に適しているか』を調べる検査です。
[検査の原理]
体外受精において、凍結胚を融解して胚移植する場合、標準的な治療として「黄体ホルモンが子宮内膜に作用し始めてから5日目」に胚移植を行なうことが、もっとも妊娠しやすい方法として行われています。
しかし、子宮内膜の着床の時期にずれがある場合、同様の方法を繰り返しても、着床する可能性が低く、反復不成功となる可能性があります。
ERA検査では、子宮内膜の着床能に関連する遺伝子発現を正確に検出し、「そのずれが何日間あるのか」まで測定することができます。
それによって、胚移植の時期を数日ずらし、その方の「子宮内膜の着床しやすい時期(implantation window)」に合わせた胚移植を行なうことができます。
タイミング法や一般不妊の方では、排卵してから何日後に胚盤胞が子宮内に到達したのかが明確ではないため、体外受精の方ほど、ERA検査が有効とはいえない部分もありますが、大きなずれがある場合には、黄体ホルモンの投与を早めるなどの工夫につながる可能性がります。
[検査の方法]
はじめに、胚移植を行なう周期と同じ方法(ホルモン補充周期または自然周期)で、子宮内膜環境の準備を行ないます。
内膜が十分に厚くなったあと、黄体ホルモンが子宮内膜作用しはじめてから、5日目に子宮内膜を採取して検査に提出します。ERA検査を行なった周期は、胚移植を行なうことはできません。
採取方法は、極細管(ピペール)を腟から子宮内へ挿入し、子宮内膜組織をごく少量採取します。
ERA検査で、着床の時期に大きなずれがある場合、別の周期に再検査を行なう必要があるため、同じ周期の4日目と6日目に子宮内膜を採取して、できるだけ1周期で詳細な結果を得る方法も行っています。
検査結果は、検査の2~3週間後に説明し、次の周期には適切な調整を行なった上で胚移植を行なうことができます。
[検査会社]
igenomix
[検査料金]
130,000円(税抜)